オプション: 合成
provide
子孫のコンポーネントによって注入できる値を提供します。
型
tsinterface ComponentOptions { provide?: object | ((this: ComponentPublicInstance) => object) }
詳細:
provide
とinject
を一緒に使うと、同じ親チェーンにある限り、コンポーネント階層の深さに関係なく、祖先コンポーネントがそのすべての子孫の依存関係インジェクターとして機能できるようになります。provide
オプションは、オブジェクトか、オブジェクトを返す関数のどちらかでなければなりません。このオブジェクトには、その子孫への注入に利用できるプロパティが含まれています。このオブジェクトではシンボルをキーとして使用できます。例
基本的な使い方:
jsconst s = Symbol() export default { provide: { foo: 'foo', [s]: 'bar' } }
関数を使用してコンポーネントごとの状態を提供する:
jsexport default { data() { return { msg: 'foo' } } provide() { return { msg: this.msg } } }
上記の例では、提供された
msg
はリアクティブではないことに注意してください。詳しくはリアクティビティーと共に利用するを参照してください。参照: Provide / Inject
inject
祖先プロバイダーを探し、現在のコンポーネントに注入するプロパティを宣言します。
型
tsinterface ComponentOptions { inject?: ArrayInjectOptions | ObjectInjectOptions } type ArrayInjectOptions = string[] type ObjectInjectOptions = { [key: string | symbol]: | string | symbol | { from?: string | symbol; default?: any } }
詳細
inject
オプションは次のいずれかです:- 文字列の配列、または
- キーがローカルバインディング名で、値が次のいずれかであるオブジェクト:
- 利用可能なインジェクションで検索するキー(文字列またはシンボル)、または
- 次のようなオブジェクト:
from
プロパティは、利用可能なインジェクションを検索するためのキー(文字列またはシンボル)になっている。さらにdefault
プロパティは、フォールバック値として使用されます。コンポーネントプロパティのデフォルト値と同様に、複数のコンポーネントインスタンス間での値の共有を避けるために、オブジェクトタイプにもファクトリ関数が必要です。
一致するプロパティもデフォルト値も提供されなかった場合、注入されたプロパティは
undefined
となります。注入されたバインディングは反応的でないことに注意してください。これは意図的なものです。ただし、注入された値がリアクティブなオブジェクトである場合、そのオブジェクトのプロパティはリアクティブなままです。詳しくはリアクティビティーと共に利用するを参照してください。
例
基本的な使い方:
jsexport default { inject: ['foo'], created() { console.log(this.foo) } }
注入された値をプロパティのデフォルトとして使用する:
jsconst Child = { inject: ['foo'], props: { bar: { default() { return this.foo } } } }
注入された値をデータとして使用する:
jsconst Child = { inject: ['foo'], data() { return { bar: this.foo } } }
インジェクションはデフォルト値を使って省略可能にできます:
jsconst Child = { inject: { foo: { default: 'foo' } } }
異なる名前のプロパティから注入する必要がある場合は、
from
を使用して、注入元のプロパティを示します:jsconst Child = { inject: { foo: { from: 'bar', default: 'foo' } } }
プロパティのデフォルトと同様に、プリミティブでない値にはファクトリー関数を使用する必要があります:
jsconst Child = { inject: { foo: { from: 'bar', default: () => [1, 2, 3] } } }
参照: Provide / Inject
mixins
現在のコンポーネントに混合されるオプションオブジェクトの配列。
型
tsinterface ComponentOptions { mixins?: ComponentOptions[] }
詳細:
mixins
オプションは、ミックスインオブジェクトの配列を受け取ります。これらのミックスインオブジェクトには、通常のインスタンスオブジェクトのようなインスタンスオプションを含めることができ、特定のオプションマージロジックを使用して、最終的なオプションに対してマージされます。例えば、ミックスインにcreated
フックが含まれていて、コンポーネント自体もフックを持っている場合、両方の関数が呼ばれることになります。ミックスインフックは提供された順に呼び出され、コンポーネント自身のフックの前に呼び出されます。
もう推奨されていません
Vue 2 では、ミックスインはコンポーネントロジックの再利用可能なチャンクを作成するための主要なメカニズムでした。ミックスインは Vue 3 でも引き続きサポートされていますが、コンポーネント間でのコード再利用には、Composition API が好ましいアプローチとなっています。
例:
jsconst mixin = { created() { console.log(1) } } createApp({ created() { console.log(2) }, mixins: [mixin] }) // => 1 // => 2
extends
拡張元となる「基底クラス」コンポーネント。
型:
tsinterface ComponentOptions { extends?: ComponentOptions }
詳細:
コンポーネントのオプションを継承し、あるコンポーネントが別のコンポーネントを拡張できるようにします。
実装の観点からは、
extends
はmixins
とほとんど同じです。extends
で指定されたコンポーネントは、最初のミックスインであるかのように扱われます。しかし、
extends
とmixins
は異なる意図を表しています。mixins
オプションは主に機能のチャンクを構成するために使用されるのに対し、extends
は主に継承に関係しています。mixins
と同様に、すべてのオプションは、関連するマージ戦略を使用してマージされます。例:
jsconst CompA = { ... } const CompB = { extends: CompA, ... }